両親に貯金がないことが判明。
両親の老後が心配です。
これって子供の私たちが面倒をみなきゃいけないの?
もし自分の親が、貯金がなく年金も満足にもらえない状況にあるならば、子としてはどのようなサポートができるのでしょうか。
そもそも貯金のない両親が健康で生活していけるのか心配な方も多いと思います。そして、「自分たちの生活もどうなってしまうのか?」と気になっている人もいるでしょう。
今回は、蓄えも収入も不足している身内を助けたい場合に、知っておくと役に立つことを紹介します。
この記事のポイント
・親の収支と財産、日々の固定費の確認
・公的制度の活用を検討
・子供のサポートは最終手段
・無理な援助は共倒れの危機に
高齢者世帯の現状を知ろう

ここでは高齢者のお金まわりについて紹介していきます。
いずれはみな年を重ね高齢者と呼ばれるようになります。今後の自分たちのことも踏まえ参考にしてみてください。
お金のない高齢者は多い
金融広告中央員会「家計の金融行動に関する世論調査」(2020年)によると、世帯主70歳以上の金融調査では、金融資産無資産が18.6%いることが分かりました。
厚生労働省の後期高齢者医療制度被保険者実態調査でも、65歳以上の公的年金の収入がない人は、約60万人います。
貯蓄がある高齢者が多くいる一方、まったく金融資産を持たない高齢者も一定数いることが分かります。
すべての年代に言えることですが、貧富の差は確実に広がっているのが見て分かります。
人によっては年金だけの生活は難しい
高齢者が貯金がない状態で年金だけの場合、自力で生活をしていくのは非常に難しいかもしれません。
そもそも、夫婦で年金を受け取っても、生活に余裕がない家庭も多いです。
令和3年度の厚生労働省が発表した年金額の例は国民年金で65,075円。厚生年金220,496円となっています。
この数字はサラリーマン時代にある程度収入があった人がもらう年金額であり、これよりもらっていない高齢者の数は多いです。
両親のために子供ができるサポート

年金生活に入る親から「お金がないので援助してほしい」と相談されたとき、親が望む金額を毎月仕送り出来れば、一番簡単な解決策かもしれません。
しかし、ほとんどの家では仕送りするだけの大きな余裕はないでしょう。まずは、親の資産と財産などを確認していくことから始めましょう。
親の資産を確認
子供に自分たちの家計のことを話さない場合もありますが、援助を求めるなら親の資産状況を把握しましょう。
「本当に貯金がゼロなのか?財産はゼロなのか?」確認しないことには始まりません。
また、貯金や預金以外にも親が持っている財産(保険商品、金融商品、貴金属、骨とう品、不動産)を両親と確認してみましょう。
注意
借金やローンなどがある可能性もあるので、全ての通帳を確認しながら親と話をしましょう。
親の月々の支出の把握
通帳を見れば、どういう風にお金が使われているか分かると思います。
水道光熱費などのランニングコストは使いすぎでなければ削減するのは難しいでしょう。
しかし、ギャンブルや外食の行き過ぎ、趣味への投資金額が多い場合は削減できるかもしれません。
お金を回せる余裕がない状況なら、趣味や外食などの費用は全てカットする交渉も必要になるかもしれません。
大切なこと
子供の要求を両親がどこまで受け入れられるか。
そして、子供側は両親が抱く不安にどこまで寄り添えるかが大切。
年金の受給資格と金額を確認
両親が年金を受け取ってない可能性もあります。資産を確認したあとは年金の受給資格を確認してみましょう。
働いている経験があれば、年金事務所から郵便物が届いているかもしれません。年金について不明点がある場合は、近隣の年金事務所に相談してみましょう。
既に年金をもらっていて、それでも貯金がない場合は公的制度を活用を検討する必要がでてきます。
親の不安に向き合う
親子関係にもよりますが、良好な関係の場合は親の不安に向き合うことも大切です。
両親も子供の前では気丈に振舞っているかもしれませんが、実は不安を抱えている可能性もあります。
現役時代頑張ってきていても、色々な理由でお金が貯められなかったかもしれません。
そういう状況を理解した上で、両親を怒ることなく、感謝をつたえつつこれからの解決策を考えていくことが大切です。
年を重ねると認知能力が落ちたり、感情的になったり、同じことを繰り返したりするかもしれませんが、まずは両親が不安が抱えている場合は話を聞き、寄り添ってみましょう。
生活が成り立たない場合は公的制度も検討

両親が持っている資産と収支を確認して、どうしても生活が成り立たない場合は公的な制度を活用しましょう。
現実的に受けられそうな公的制度2つ
・生活福祉資金貸付制度
・生活保護制度
生活福祉資金貸付制度
低所得者や高齢者、障がい者などが生活費を一時的な資金の貸付と相談を行ってもらえる制度です。
一番利用されるのは原則3ヶ月の貸付を受けることが総合支援資金です。
連帯保証人なしでも受けることができ場合もあります。
生活保護制度
生活保護制度は最低の生活の保障と自立の助長を目的にした公的支援です。
8種類の扶助があり、目的に応じて支給を受けられます。
扶助の種類 | 支給目的と内容 |
---|---|
生活扶助 | 日常生活に必要な費用 |
住宅扶助 | アパートなどの賃料 |
教育扶助 | 義務教育を受けるために必要な費用 |
医療扶助 | 医療サービスの費用 |
介護扶助 | 介護サービスの費用 |
出産扶助 | 出産にかかわる費用 |
生業扶助 | 就労に必要な技能の習得などにかかる費用 |
葬祭扶助 | 葬儀のための費用 |
近年、生活保護を受けるためのハードルは上がってはいますが、実際に生活をするのが難しい高齢者が受けているケースもあります。
諦めず一度問い合わせをしてみてもいいかもしれません。
持ち家の売却
持ち家を売却した資金でアパートやマンションを借りて生活をするのも候補の一つです。
65歳以上の方専用の賃貸サービス、R65など超高齢者社会にあったサービスも出てきています。
もし、両親が持ち家の場合は、実家を売却することも考えていいかもしれません。
本格的にできる子供のサポート

ここからは両親が自分たちの力だけで生活できないときのことを考えたサポートを紹介していきます。
同居は親が納得して受け入れないとうまくいかない
同居は基本うまくいかないと考えた方が気が楽です。
住み慣れた土地から離れる場合、年をとってから新しい場所に住むのは大変です。
しかし、「そんな余裕はない!」という家族もいると思いますので、両親と自分たち家族も納得した上で同居をするのはいいでしょう。
最初に1週間だけの仮同居などを試してみるとイメージが付きやすいです。
生活リズムの違いを理解し、ストレスを軽減させよう
自分たち家族と親の生活リズムは違って当然です。
しかし、一緒に生活していくと、少しの違いが摩擦やすれ違いを生み喧嘩に発展してしまいます。
どんなに仲がよい家族でも、年老いた家族と一緒に住むことで仲が悪くなるケースもあるので注意が必要です。
自分たちだけではなく、親側も自分たちの生活に色々言ってくることが予想出来る場合は同居はうまくいかないかもしれません。
金銭的サポートが最終的な手段
お金で解決出来れば一番簡単です。しかし、両親の生活のために毎月お金を払っていくことは、自分たちの生活も大変にしてしまうかもしれません。
金銭的なサポートは最終手段だと考え、色々な選択肢を作っておくといいでしょう。
まずは公的支援や日々の生活で削れる場所を探してみて、同居やお金の支援を考えるといいでしょう。
年金はもらっているが、持ち家でもない場合はどうなる?

年金はもらっているが金額が少ない。そして賃貸の場合はどうなるのか?
このケースの場合、貯金が少ししかない場合は毎月の収支が赤字になっていることが予想されます。
貯金なしで収支が赤字の場合は、お金を仕送りするか、それが難しい場合は同居が多いと思われます。
生活保護を受けられれば一番いいですが、年々需給のハードルは上がっています。
別々で住んでいても、両親の家計は赤字続きですし、介護や病気になってからでは遅いので話し合いを早めにする必要があります。
まとめ
貯蓄がない高齢者が多い一方、ため込んでいる高齢者も多いです。
貯蓄がない親がいる場合は、まずは資産を全て把握し、対策を講じましょう。
公的制度を活用ができるなら利用し、同居や仕送りが出来る体制を整えるといいでしょう。
高齢になった両親と一緒に住むのはなかなか大変なことですが、ストレスをためないようにやっていくことが大切です。
年を重ねたら気をつけたい |
|||
フレイル |
ロコモティブシンドローム | サルコペニア | |
誤嚥性肺炎 | 高血圧 | 心疾患 | 関節疾患 |
認知症 | 骨折転倒 | 衰弱 | 難聴 |