介護をしていると排泄物の処理をすることがあります。
特に在宅介護の中で排泄物の処理は、介護者の負担が高いと答えている人が多いです。
被介護者は自分の体が老い、排泄物の処理を配偶者やその子供、そしてその子供の配偶者にしてもらうことなります。
周りに介護を頼ることしか出来ず、結果介護者の負担が増えていくことに繋がってしまいます。
介護者の負担が大きい排泄物の処理ですが、介護をする上では回避できないことです。
そして、排泄物の処理にはオムツが必要になり、日々のオムツ代は結構な金額になります。
そこで、この記事ではオムツ代が実際にいくら必要になるのかを、それぞれのオムツごと算出してみました。
「在宅介護を検討している人」や「在宅介護をしている人」は参考にしてみてください。
介護現場で使われるオムツの種類
介護現場で利用されているオムツには種類があります。
どういうオムツを利用するかによってオムツ代が変わってきますので注意が必要です。
また、各オムツの形状でも、一人で外出できる方、介助あれば歩ける方、寝たきりの方などで選ぶ商品が変わってきます。
軽い尿洩れ専用タイプ

軽い尿洩れ専用のタイプ
尿洩れの頻度が多くなく、気になり始めた方むけのオムツです。
一番最初の選択肢に挙がる大人用おむつのタイプです。
パンツタイプ

パンツタイプの大人用おむつ。排泄に介助が必要な方や1人でトイレにいける方にもおすすめのおむつです。
おしっこ1~2回程度吸収するうす型のタイプや、おしっこ4~5回分程度吸収する厚型の長時間タイプのおむつがあります。 その人に合った介護度に合ったオムツを選ぶ必要があります。
紙パンツ用パッド

オムツに張り付けるタイプのパッドです。オムツ専用の尿取りパッドなので正しい使い方をする必要があります。
紙パッドが付いているオムツタイプと紙パッドのみの2種類があるので選ぶ際は必要してください。
テープタイプ

寝て過ごす時間が多い方向けのテープタイプ型オムツ。
要介護度が高い方向けなので取り換え易く、つけやすいのが特徴です。物にもよりますが2~4回分の尿を吸収する力がある物が多いです。
テープ用パッド

テープ止めできるパッドです。テープ止めタイプにつけやすい形状になっていて、おしっこ2~3回分の吸収力があります。
オムツは種類が多く分かりづらいですが、基本はオムツ本体かインナータイプの2種類に分かれます。
オムツメーカーはその人の活動レベルごとに最適なオムツを選べるようにしています。
介護度とオムツ選びの目安
オムツを選ぶ時に参考になるのは、オムツを履く人の介護度(活動レベル)です。
CMでもおなじみの大人用おむつのライフリーでは以下の様に介護度が上がっていきます。
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1一人で出歩ける人
大人用おむつで一番介護が低い人向けの商品は「一人で出歩ける人」価格も安価で尿もれが気になり始めた人向けです。
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2一人で歩ける人
一人で歩けるが、長時間の外出などは疲れてしまう人向けです。足腰が弱ってきて、尿もれが増えてきた人が対象です。
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3介助があれば歩ける人
要介護のレベルになっている「介助があれば歩ける人」向けのオムツです。一人で生活するのが難しくなってきて、歩くのも大変になってきた方が対象です。
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4立てる人
一人で立てる人向けのオムツです。歩くのは難しくても、立つことが出来る人はこちらの大人用おむつが対象になります。
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5座れる人
立つことが難しくても、一人で座れることが出来る人向けです。
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6寝て過ごす時間が多い人
大人用おむつで一番、介護度が高い人が「寝て過ごす時間が多い人」です。寝返りをうっても漏れづらかったり、オムツの交換がしやすい設計になっています。
形状と回数ごとでオムツ代を算出
それでは各形状と回数でオムツ代が実際にどのくらいかかるか算出してみました。
オムツの値段は要介護度が高い人向けの商品や、尿の吸収回数が多いほど、価格が上がる傾向があります。
※価格は2022年10月現在のAmazonの価格より
※ライフリーの価格を基準とする
※男女兼用Mサイズを基準とする
※交換回数は目安です
アウター:パンツタイプのオムツ
パンツタイプのオムツは、介護度が低い方から高い人まで幅広く使えるタイプです。
しかし、寝ている時間が長い方は下で紹介するアウタータイプのテープで止めるタイプをオススメします。
介助レベル | 吸水回数 | 交換回数 / 一日 | 価格 / 一枚 | 合計費用 / 一か月 |
---|---|---|---|---|
薄型軽快パンツ 一人で歩ける方 | 2回吸収 | 7回 | 70円 | 14,700円 |
長時間あんしんパンツ 介助で歩ける方 | 4回吸収 | 5回 | 77円 | 11,550円 |
リハビリパンツ 立てる方 | 5回吸収 | 4回 | 95円 | 11,400円 |
ズボンを脱がずに交換リハビリパンツ 座れる方 | 4回吸収 | 5回 | 130円 | 19,500円 |
あくまでも目安の金額ですが、交換回数が増えると一か月のオムツ代は上がります。
吸収回数が少ないと交換頻度も上がるので介護レベルと併せて検討してください。
便が出るとオムツの交換をすることになるので、回数が上下します。上記はあくまでも尿の回数のみを考慮しました。
アウター:テープ止めタイプのオムツ
アウターのテープ止めタイプのオムツは介護度が高い人向けになります。
寝て過ごすことが多い方は、こちらを利用するといいでしょう。しかし、他のタイプの物が使えないということはではありません。
交換のしやすさなど考慮した場合、こちらの商品の方がおすすめということになります。
介助レベル | 吸水回数 | 交換回数 / 一日 | 価格 / 一枚 | 合計費用 / 一か月 |
---|---|---|---|---|
のび~るフィットうす型軽快テープ止め 寝て過ごすことが多い | 2回吸収 | 6回 | 86円 | 15,480円 |
のび~るフィットうす型軽快テープ止め 寝て過ごすことが多い | 4回吸収 | 4回 | ― | ― |
横モレあんしんテープ止め 寝て過ごすことが多い | 4回吸収 | 4回 | 94円 | 11,280円 |
インナー:尿もれパッド
インナータイプでも、まだ介護レベルが低く、一人で出歩ける人向けの商品です。
介護レベルも低いので金額も安い傾向にあります。
介助レベル | 吸水回数 | 交換回数 / 一日 | 価格 / 一枚 | 合計費用 / 一か月 |
---|---|---|---|---|
さわやかパッド 尿もれが気になる方 | ― | ― | 18円 | 540円 |
さわやかパッド 男性用 ちょい漏れが気になる方 20cc | ― | ― | 25円 | 750円 |
インナー:紙パンツ用尿とりパッド
介護レベルが上がり、紙パンツとインナーを併用することで介護の排泄物の処理を減らすことが出来ます。
実際の介護の現場でも、インナータイプのオムツとアウターのオムツを併用することは多いです。
インナーだけ変えることで排泄物の匂いを軽減させたり、経済的に安くすることが出来ます。
介助レベル | 吸水回数 | 交換回数 / 一日 | 価格 / 一枚 | 合計費用 / 一か月 |
---|---|---|---|---|
パンツ用尿とりパッドズレずに安心紙パンツ専用 座れる方まで対応 | 2回吸収 | 4回 | 22円 | 2,640円 |
ズレずに安心 紙パンツ用尿とりパッド 夜用 座れる方まで対応 | 6回吸収 | 1回 | 64円 | 1,920円 |
インナー:テープ用パッド(尿とりパッド)
尿とりパッドはインナーの中でも、介護度が高い人向けのオムツです。対象者も「寝て過ごすことが多い方向け」になっています。
介助レベル | 吸水回数 | 交換回数 / 一日 | 価格 / 一枚 | 合計費用 / 一か月 |
---|---|---|---|---|
テープ用尿とりパッド 長時間あんしん昼用スーパー 寝て過ごすことが多い方 | 4回吸収 | 5回 | 35円 | 5,250円 |
それぞれのタイプごと、オムツの価格と30日毎日使った場合の概算費用を算出しました。
一枚50円のオムツを6回から5回に少なくなれば、1500円安くなります。
逆に取り換え頻度が1回増えたり、選ぶオムツが良い物になれば、それだけ月の出費は増えてしまいます。
それでも、オムツをすることで、「尿もれの心配が少なくなったり」、「外に出て友人に会ったり」、「旅行に出かける」ということに意欲的になればそれだけでも健康寿命をが延びることに繋がるでしょう。
是非、今回のオムツ代の算出を参考に自分たちに合った、オムツ選びに活用してもらえば幸いです。