突然耳が聞こえない。急に片耳だけ聞こえなくなった…。急に耳の聞こえが悪くなったら「どうしたらいいの?なんで?」と焦ってしまうと思います。今回は耳が急に聞こえなくなった原因と対処法。そしてこれから出来る予防方法を紹介していきます。
耳が突然聞こえなくなった場合、病気の可能性あり
急に片耳が聞こえなくなった場合、突発性難聴を疑いましょう。突発性難聴は本当に急に起こるのが特徴です。内耳の血流障害やウイルス感染、疲労やストレスによって引き起こされると言われていますが、詳しい原因はまだ分かっていません。
突発性難聴は本当に急に起こるので異変が起きた場合、速やかに病院を受診することをオススメします。しかし、それ以外の原因も考えられるので後程紹介していきます。
こんな症状が出ている場合は突発性難聴の可能性あり!

- 突然、片方の耳だけ聞こえなくなった
- 耳鳴りがおきるようになった
- 耳がつまった感じがするようになった
- 症状がいつ起きたか分かる
- 音が急に小さく聞こえる
- 耳に違和感がある
上記に複数当てはまる場合、突発性難聴の可能性があります。なるべく早めに耳鼻科の受診をおすすめします。
最悪、耳が聞こえなくなる
突発性難聴は1週間以内、遅くとも2週間以内に治療を開始すれば、ほとんどの人が完治します。とにかく早めに病院を受診をすることですぐ治ります。
しかし、病院に行かず原因が分からないまま放っておくて最悪片耳が聞こえなくなる恐れがあります。そこまで放っておく人は少ないですが、自分の判断で「大丈夫」と決めつけるのは危険です。
突発性難聴はストレス、疲労、睡眠不足が引き起こす
突発性難聴はストレス、疲労、睡眠不足が引き起こすと言われています。ストレスをためないように過ごし、生活習慣を見直すことが必要です。
関連記事:低音の耳鳴り「ボー・ブーン・ドクドク」の原因と治し方・対策方法を紹介
次の項目からは突発性難聴以外の「耳が聞こえない原因」を紹介していきます。
片耳が急に聞こえなくなる原因

突発性難聴の他にも片耳が急に聞こえなくなる原因はいくつかあります。ここでは他の原因も見ていきましょう。
■メニエール病
メニエール病は、内耳のリンパ液が増えすぎることによっておこる病気で、30~40代の女性に多くみられます。通常、内耳を満たしているリンパ液が何かの異常で過剰にたまり、水ぶくれを起こしてしまうこと(=内リンパ水腫)で起こります。
「めまい」や「左右片方の耳の聞こえが悪くなる」「耳鳴りが起こる」、「吐き気の症状もある」といった症状が現れます。これらは突発性難聴と似ている症状も多いです。
突発性難聴と同じく。ストレス、疲れ、睡眠不足などが引き金と言われています。メニエール病の特徴はめまいの発作が数分、数時間、週に1度などといった間隔で繰り返される点です。
定期的なめまいが起き、耳が急に聞こえなくなったらメニエール病の可能性があります。
関連記事:メニエール病の症状や治療、予防方法とは?検査方法や副作用も紹介
メニエール病に対処法
利尿剤、抗めまい薬、難聴に対するステロイドなどを使った治療が主になります。また、ストレスも疲労が発症や悪化との関わりが強いとされているため、診察ではその原因を一緒に考えてアドバイスをもらいます。また、ストレスが強いかで処方するお薬の内容も変わります。しっかりと休むこと、気分転換をすること、睡眠の質を改善することが重要です。
■低音障害型難聴
低い音が急に聞こえにくくなる病気で、「音が詰まっているが聞こえないこともない」、「音が耳の中で響く感じがする」という症状があれば、低音障害型難聴の可能性があります。
症状が悪化したり、改善したりを繰り返す場合はメニエール病の可能性あります。こちらも比較的、女性に多く発症し、ストレスや睡眠不足、疲労などが原因と言われています。
低音障害型難聴の対処法
根本的な原因は分かっていませんが、内耳の障害を伴うことから、ステロイド、ビタミンB12などの飲み薬を病院で処方されるケースが多いです。
重度になると、入院した上での加療が必要になることもありますので注意が必要です。
■耳管開放症・耳管狭窄症
「耳管開放症」(じかんへいほうしょう)は 耳管が開いたままになる病気です。急な体重減少、妊娠、体調不良が原因と考えられています。鼻すすり癖がある人に多くみられ、運動後、汗をかいたりすると病状が悪化が見られます。末梢循環障害などが原因といわれており、こちらも比較的女性の方が多く発症しています。
「耳管狭窄症」(じかんきょうさくしょう)は耳管(耳と鼻の奥をつなぐ管)が狭くなり塞がれる病気です。耳管が塞がれることで音が届かなくなります。風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃炎などの鼻やのどの炎症により鼻の奥にある耳管開口部周囲に炎症を起こすことが主な原因です。
耳管開放症・耳管狭窄症の対処法
耳管開放症に対しては、漢方薬による治療が行えます。無理なダイエットを中止するかダイエット方法の再考が不可欠です。
耳管狭窄症に対しては、鼻汁の吸引、薬物療法を行います。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが原因の場合はその治療も必要です。
関連記事:低音の耳鳴り「ボー・ブーン・ドクドク」の原因と治し方・対策方法を紹介
突然ではないが、耳が聞こえなくなった原因

突然耳が聞こえなくなる原因である「突発性難聴」、「メニエール病」、「耳管開放症 ・ 耳管狭窄症」という病気を見てきました。ここでは、突然ではないけど耳が聞こえなくなる原因を紹介していきます。
■加齢性難聴
加齢性難聴は加齢に聴力が衰えていくことで音を認識できなくてっていくものです。一般的に人間は30代から緩やかに聴力が衰えていき、50代後半くらいで音の聞こえづらさを実感します。
上のグラフは年齢と聴力の関係です。左側の聴力レベルで30dbに下回ると軽度難聴者に分類されます。
60代前半で5人~10人に1人が難聴、60代後半で3人に1人が難聴、75歳以上になると7割以上が難聴になると言われています。
人との会話(特に複数人)、テレビの音、電話の呼び出し音など聞こえ辛くなってきているのは加齢性難聴かもしれません。
■耳硬化
耳硬化は遺伝、麻疹の潜伏感染、女性ホルモンの乱れなどが原因と言われています。音が聞こえ辛くなるだけではなく、耳鳴り、めまいなどの症状を伴い、妊娠を機に症状が悪化するケースも見られます。
「耳が聞こえづらい」その原因と対処方法を紹介 それ難聴かもしれませんよ?
硬化してしまった耳の骨に穴をあけ、人口骨を設置することが一般的です。
■耳垢
耳垢が溜まることによって音を脳まで届けられず聞こえづらいという状況になります。基本的には寝ている間や横になっている間に、人間の体は耳垢を外に出そうとします。
しかし、体質や耳垢の水分量になどによって耳穴に耳垢が滞留してしまうケースもあります。耳鼻科の先生の中には耳掃除は頻繁にやらなくてもいいという方もいるくらいです。
耳垢がたまった場合は竹耳かきで掃除をしましょう。素材が竹だとよくしなり、耳穴を傷つけづらいのでオススメです。
耳を守るための対処法
1.大音量でテレビや音楽を聞かないようにする
一度傷ついた神経細胞は現代の医学では治療する方法が見つかっていません。音を理解する細胞が死滅すると一生その状態が続いてしまいし、回復することはありません。大音量で長時間音楽を聴くことは避けたり、テレビのボリュームを下げるように気を付けましょう。
2015年WHO(世界保健機関)が世界の若者11億人が音響機器の利用などで耳が聞こえなくなる、難聴の危機にあるというレポートを提出しました。最近はイヤホンによる音楽を聞く人が多く、若い人でも難聴になる人が増えてきています。
関連記事:イヤホン難聴(ヘッドホン難聴)とは?現代人に増えている難聴の原因と対策方法
2.騒音下での仕事の場合は耳栓をする
長い時間、騒音下にいると騒音性難聴になってしまう可能性があります。騒音とは85dB(デシベル)以上の音でこれ以上の音を長期間聞いていると難聴の原因になると言われています。
建設現場で仕事をしている人や音楽活動をしている方の何佇立は高いので気を付けるようにしましょう。
3.生活習慣病に気をつける
難聴とストレス、疲労、睡眠不足、食生活は密接な関係があります。特に耳鳴りなどはストレスや疲労、睡眠不足が原因と言われていて、難聴との関りは深いです。
加齢によって耳の聞こえが悪くなっていくことは仕方がない部分もありますが、日々の生活を見直すことで、耳の聞こえが悪くなっていくのを遅らせることが出来ます。
関連記事:60代のユーチューバー|元気にYouTubeで動画を上げているおすすめチャンネルを紹介
まとめ
突然耳が聞こえないときの原因は突発性難聴、低音障害、 耳管開放症・耳管狭窄症である可能性が高いです。早めの治療を心掛けることが大切です。
また、日々の暮らしの中で耳をケアする習慣を作れば耳が悪くなることを遅らせることが出来ます。
目が悪くなったら眼鏡をかけるように、耳には補聴器と言うものがありますが、値段も高く調整も大変です。
耳をケアして人生100年時代を健康ですごしましょう。