
今回はキユーピーから販売されている、市販のレトルト介護食「おじや 鮭大根」の詳細レビューです。
「やわらかく仕立てた鮭と大根、にんじん、油揚げ、しいたけをしょうがをきかせて風味豊かに仕上げた」一品です。
ユニバーサルデザインフード(UDF)区分だと「歯ぐきでつぶせる」に分類され、介護食では2番目の固さ。
「噛む力や飲み込む力が衰えてきて、しっかり気をつけたい」という人におすすめの市販の介護食です。
*前後のキユーピー製品
←KP04 |
KP05 |
KP06→ |
※番号は介護食Zの独自番号
※同じユニバーサルデザインフードの区分ごと
今回の区分は「歯ぐきでつぶせる」
← 容易にかめる | 歯ぐきでつぶせる | 舌でつぶせる → |
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←更にかたい | ここの区分 | 更にやわらかい→ |
歯ぐきでつぶせる見た目がより一般食に近いのは「容易にかめる」区分です。
舌でつぶせるは、材料がより細かくなり見た目もペースト状に近づきます。
固さも歯ぐきでつぶせると比べると「容易にかめる」の方が固く、「舌でつぶせる」方が柔らかいです。
歯ぐきでつぶせる介護食・流動食の特徴:
噛む力の目安 | かたい物や大きい物はやや食べづらい | |
飲み込む力の目安 | ものによっては飲み込みづらいことがある | |
固さ目安 | ごはん | やわらかごはん~全がゆ |
たまご | 厚焼きたまご | |
肉じゃが | 具材小さめやわらか肉じゃが |
なぜ自分に合った食べ物の固さが大切なのか?
食事の固さが合わないと、食事中にむせることが多くなり、「誤嚥性肺炎」のリスクが上ってしまいます。
あまり知られていませんが、65歳以上の死因第4位は肺炎です。そしてその内の半分が誤嚥性肺炎で亡くなっています。
70歳以上になると更に増え、肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎です。80代になると死因第3位に肺炎が入り、その内の8割は誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎は発症してから2年以内の死亡率が50%以上。これは進行性のがんと同じくらい死亡率が高いです。
健康で過ごすために自分に合った食事の固さを知り、すこしずつ食事を見直していきましょう。
自分に合った食事の固さが分かる簡単な診断を作ったので、是非この機会に自分に合った食事の固さを調べてみてください。
\ 食事の固さ診断はこちら /
今回紹介する介護食はこちら
歯ぐきでつぶせる「おじや 鮭大根」の商品概要

基本情報
調理方法はお皿に移しての電子レンジがオススメです。湯せんの場合、非常に熱く火傷する恐れがあります。熱くなってからの封を切るのは危ないので注意してください。
原材料名
米(国産)、野菜(だいこん、にんじん、しょうが)、鮭、しょうゆ、油揚げ、鮭フレーク、食物繊維、米発酵調味料、しいたけ、コラーゲンペプチド、植物油脂、かつお節エキス、こんぶエキスパウダー、鮭エキス、食塩/ 増粘剤(加工でん粉、ペクチン)、調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、豆腐用凝固剤、(一部に乳成分・小麦・さけ・大豆・ゼラチンを含む) |
栄養素
エネルギー: 94Kcal | たんぱく質: 4.5g | 脂質: 1.4g | 炭水化物: 17.5g |
食物繊維: 3.4g | 食塩相当: 1.1g | ナトリム: 454mg | カリウム: 77mg |
カルシウム: 13mg | リン: 45mg | 鉄: 0.6g | 水分: 135.4g |
灰分: 1.3g | 賞味期限: 25ヶ月 |
アレルギー
乳成分 | 小麦 | さけ | 大豆 | ゼラチン |
詳細はこちら
商品画像
料理の見た目と香りなど
見た目はちょっと固めのおじやの様相です。
食材の固さは「歯ぐきでつぶせる」区分に則っていますが、ゼラチンが入っているのでご飯がまとまっている箇所があります。
封を切って、お皿に移す際、ドボッとお皿からご飯の塊が出てきました。
香りはしょうゆのいい香りがします。そこまで強くはなく、ほんのり香る程度です。
湯気と伴に生姜の香りもほんのり漂い、美味しそうです。
ページ下部に実際の食べている映像がありますので、見た目や柔らかさを参考にしてみてください。
1食で補える栄養素の割合
※ 日本人の食事摂取基準(2020 年版)から栄養素を算出
※ 65歳~74歳の女性 身体活動レベルⅠを適用。自宅にいてほとんど外出しない者、高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている方が基準
※ 同じ年代の男性でも推奨摂取量は大きくは変わりません
※ 介護を受けている人によっては摂取基準量よりも下回ることもあるので目安値として参考にしてください
※ 詳細はこちらのページをご確認ください
「おじや 鮭大根」の評価とレビュー
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- おすすめ度
- 3.5
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- 美味しさ
- 3.5
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- 価格
- 3.5
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- 量
- 4
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- 栄養素
- 3
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美味しさ:3.5点
美味しい!
一口目は生姜の風味が口に広がり徐々に鮭の旨味が広がってくる。鮭の旨味と同じタイミングで大根の独特の苦味と旨味が来る。
生姜の味が強めで、鮭の味が負けている。もう少し鮭の風味と味が強ければもっと美味しいと思う。
生姜は強いので、生姜が苦手な人は候補から外れるが塩分を抑えるために恐らく生姜の風味を重視しているんだと思われる。
次も買ってもいいと思った一品。
大根好き、生姜好きにはグッド!
価格:3.5点
160gで206円。この価格帯は介護食の中でもトップクラスに低価格。
2022年の値上げにより195円から206円に。
それでも介護食の中では低価格。介護食のパイオニアとして、色々試行錯誤をしてこの価格になっていると予想できる。
企業努力が感じられる。
量:4点
主食系のおじやなので160gはありがたい。
おかず系は80g-100gが一般的な介護食で、おかずを一品買うか、主食系を1品買うか分かれる所。
今回のおじやは持った時にずっしり重く、食べても満足する量だった。
栄養素:3点
推奨摂取栄養素の内、飽和脂肪酸を抜かした10種類摂取可能(31種類中)
介護食の中では非常にバランスのいい栄養素を含んでいる。
カルシウムが1日に必要な量に対し2%と、消費者としてはメインで摂りたい栄養素なのでかなり少ない。
食物繊維が1日に必要な量に対して20%。これはかなり優秀な数字。
たんぱく質、資質はバランスよく含まれている。
おじや系ということで水分も多く含まれているのがグッド。どうしても水分を取れない場合、食事から135gも摂れるのは嬉しい。
ビタミンが摂れれば文句なし。やわらかさの問題で煮込む段階で壊れてしまうのは重々承知だが摂取できれば最高だ。
おすすめ度とまとめ

おすすめ度:3.5点
最終的なおすすめ度は3.5点という結果になりました。
キユーピーさんから販売されている介護食はクオリティが高い物が多くて驚かされます。さすが介護食のパイオニア。試行錯誤が窺えます。
価格については値上げがされ206円になり、割高感が出てしまっています。おじやということで、原材料が米と野菜と鮭。中身はそこまで鮭の印象が強くなく、原価は結構安いのではないか…と思っています。といっても160gで206円は介護食の中では安い部類。
美味しさと量、価格のバランス的にコストパフォーマンスはいいと思います。
栄養素に関しては言えば、このくらいがどの介護食でもオーソドックスになってると感じます。
アサヒやハウス、あいーととは違ったミネラルが含まれていて、メーカーそれぞれの考え方が窺えて面白いです。キユーピーさんはバランスよく栄養素を入れている印象です。
食物繊維、カルシウム、カリウムなど、一般消費者でも健康のことを調べたら積極的に摂取したい栄養素が多く摂れると有難いです。
味は大根の味が強めの美味しいおじやです。鮭は風味程度でそこまで味が強くない印象でした。
それでも味の完成度は高く、最後まで美味しく食べられます。
介護食にありがちな、塩分を調整するあまり、嫌なケミカル感がなく塩分1.1g。こういう食品を食べる人としては塩分が低いのは嬉しいです。
「おじや 鮭大根」はコストパフォーマンスの高い一品です。「歯ぐきでつぶせる」介護食を探している人は検討してみてください。
動画で見る歯ぐきでつぶせる「おじや 鮭大根」の特徴
動画では「おじや鮭大根」を食べて特徴を説明しています。
画像では分からない介護食のサイズ感、固さ、美味しそうかどうかなど、実際の料理の雰囲気が分かるのでおすすめです。
このチャンネルでは介護食を実際に食べて、本当に美味しい介護食探しています。市販されている全ての介護食を食べて、美味しい介護食を探す予定です。その他シニアに話題のお弁当サービスなども食べていきます。
是非、チャンネル登録よろしくお願いします!
どこで購入できる?
キユーピーの介護食は全国のスーパー、ドラッグストアで販売されています。
ただし、店舗によって取り扱いが変わってきます。キユーピーの介護食を都内で探し歩きましたが、アサヒの介護食しか見つかりませんでした。
取扱いのある店舗が近所にあれば、色々試せるのでそちらで購入するのが便利です。
近所に見当たらない場合はネットで購入するのがおすすめです。価格もネットの方が安い場合もあります。