家系は高血圧、最近血圧も高い…
高血圧になると健康被害も多そうで困る…
高血圧は、通常、症状を示さないことが多いため「沈黙の殺人犯」とも呼ばれています。しかし、高血圧が長期にわたって続く場合や、急に上昇する場合には、症状を示すことがあります。
- 頭痛
- 目のくらむ
- 耳の鳴り
- 吐き気
- 目の霞む
- 目の疲れ
以上の症状が続く場合、高血圧が原因である可能性があります。また、高血圧は、長期にわたって続くと心臓や脳、腎臓などの器官に悪影響を及ぼすことが分かっています。もし高血圧の家系で上記の様な症状がある場合は、一つの原因として高血圧の可能性を疑いましょう。
高血圧とは

高血圧とは血管の壁に力を加える力(血圧)が高い状態を指します。
通常、高血圧は症状を示しませんが、長期にわたって続く場合や急に上昇する場合には症状を示すことがあります。高血圧は、心臓や脳、腎臓などの器官に悪影響を及ぼすことがあり、世界的に多い疾患の一つです。高血圧は、生活習慣や遺伝、環境要因などによって引き起こされることがあります。
また、冒頭でも説明しましたが、症状が出ないことが多いです。
高血圧の原因
高血圧は、血液を循環させるための心臓からの力(心拍出量)と、血管の収縮性(弾性)によって引き起こされます。そして、高血圧の原因は様々で、生活習慣病や遺伝的要因、年齢、性別、ストレスなどが挙げられます。
- 不健康な生活習慣:
過剰なアルコールや喫煙、肥満、不健康な食生活、不適度な運動などが高血圧を引き起こします。 - 遺伝的要因:
高血圧は家族歴のある人に多く見られます。 - 年齢:
高血圧は年齢が上がるにつれて増加します。 - 性別:
男性より女性の方が高血圧になりにくい傾向があります。 - ストレス:
長期的なストレスは高血圧を引き起こす原因になることが知られています。
なぜ、年齢が上がると高血圧のリスクが上るのか
年齢が上がると高血圧のリスクが上ります。高齢者になると高血圧の薬を飲んでいる人も多いのは年齢によるリスク増加も考えられます。
年齢による高血圧の原因
血管の弾性の低下:年齢が上がるにつれて、血管の弾性が低下し、血管を狭くすることで血圧が上昇します。
腎臓の機能低下:年齢が上がるにつれて、腎臓の機能が低下し、血液中のナトリウムや水分を適切に調節できなくなり、血圧が上昇します。
体内の脂質のバランスの乱れ:年齢が上がるにつれて、体内の脂質のバランスが乱れ、血管を狭くする脂質が増加し、血圧が上昇します。
生活習慣の変化:年齢が上がるにつれて、生活習慣が変化し、運動量が減少し、食生活が不健康になることで、高血圧になることがあります。
世界的にみても高血圧の人は多い

日本人に高血圧の人が多いのは世界的にみても明らかになっています。しょっぱい食事が多い日本人は高血圧の人が多いと見聞きした人も多いと思います。
日本においては、男性の高血圧患者は約40%、女性は約30%と言われており、高血圧は日本人に多い疾患の一つです。これは、日本人の生活習慣によるものと考えられています。日本人は食生活が塩分を多く含んでおり、運動不足、ストレスが多い生活を送っていることが原因と考えられています。
しかし、高血圧は何も日本で問題になっている疾患ではありません。世界的にみても高血圧は問題になっています。
高血圧が多い国に日本も含まれる
高血圧の多い国は公に公表されているものがなく、様々な調査結果によって異なりますが、一般的に、高血圧が多い国としては、米国、カナダ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなどが挙げられます。
日本も高血圧が多い国の一つとされています。
日本は全体的に高血圧が多いと言われていますが、世界的にみても大体上位にランクインすることが多いです。 高血圧は健康診断を受けることで早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です
高血圧の影響

高血圧は、長期にわたって続くと、心臓や脳、腎臓などの器官に悪影響を及ぼすことがあります。
- 心臓病:高血圧は、心筋梗塞や心筋梗塞、心不全、動脈硬化などの心臓病を引き起こす原因となります。
- 脳卒中:高血圧は、脳血管障害を引き起こし、脳卒中を引き起こす原因となります。
- 腎臓疾患:高血圧は、腎臓に悪影響を及ぼし、腎臓疾患を引き起こす原因となります。
- 眼の疾患:高血圧は、眼に悪影響を及ぼし、網膜剥離や緑内障などの眼の疾患を引き起こす原因となります。
高血圧は、早期に発見し、適切な治療を受けることで、上記の健康上の影響を最小限に抑えることができます。
高血圧は万病のもととなる疾患です。特に血管系の疾患とは関りが深く、体中の血液を運ぶポンプの役割をする心臓、そして血液を体中に送る血管は高血圧によりダメージをおってしまいます。
高血圧の治療方法

もしあなたが病院に行き高血圧と診断された場合は3種類の治療を行うことになると思います。まずは生活習慣の改善、そして薬物による治療、血管内治療の3種類です。
生活習慣の改善
まずは生活習慣の改善をするように言われます。特に飲酒、喫煙、肥満改善、バランスの良い食生活、運動は高血圧だけではなく、多くの疾患で改善するように言われます。
運動習慣と毎日の食事は本当に重要です。まずは軽いウォーキングから始め、筋トレに移行していくといいでしょう。
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薬物治療
血圧を下げるために、薬物療法を行うことがあります。ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体ブロッカー、カルシウムチャネルブロッカーなどが使用されます。薬は患者さんの状況と医師の選択によります。
高血圧の薬について
高血圧の治療には、薬物療法がよく使用されますが、飲み続ける必要はありません。 薬物療法を行うことで血圧を正常な値に戻し、心臓や脳、腎臓などの器官への悪影響を軽減することができます。
その後、生活習慣の改善や適切な運動をすることで、血圧を維持することができ、薬物療法を中止することができる場合もあります。 しかし、個人差があり、長期的に続けることが必要な場合もあります。 医師に相談し、適切な治療方法を決定することが大切です。
血管内治療
必要に応じて、血管内治療を行うことがあります。血管内治療には、ステント治療や脈管治療などがあります。
血管内治療
- ステント治療:
ステントとは、血管を開くための小さなメタル製のチューブです。高血圧による動脈の狭窄を治療するために、ステントを使って血管を開き、血流を促進します。 - 脈管治療:
脈管治療は、高血圧によって狭窄した脈管を拡張するための治療方法です。脈管拡張術は、脈管の内壁に対して、熱やラジオ波を使用して拡張を引き起こす方法です。
高血圧の予防

高血圧は日々の生活を見直すことで予防することができます。日本人が世界でも高血圧が多い国なので、若いうちから気をつける必要があります。高血圧の治療方法と重なるポイントも多いです。
適度な運動をする
高血圧を予防するには毎日適度な運動をすることが推奨されています。
WHO(世界保健機関)によると、成人は毎日150分以上の中程度から強めの運動をすることが推奨されています。 適度な運動とは、歩行、ジョギング、ランニング、サイクリング、スイミング、カーディオトレーニングなどがあります。 また、運動は週に30分程度が適切です。
運動は、健康に良いために必要ですが、過剰な運動は体に負担をかけるため避けるべきです。
65歳以上の高齢者にしても、毎日30分以上の歩行、ジョギングが推奨されています。特にウォーキングは健康のパラメーターと言われています。歩けなくなると一気に老いが進みますので毎日のウォーキングは必須です。
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健康的な食生活を心掛ける
健康的な食生活とは、健康を維持し、病気を予防するために適切な栄養バランスをとることを意味します。
健康的な食生活には以下のことが含まれます:
- 栄養バランスのとれた食事:
野菜、果物、穀物、豆類、肉、魚、卵、乳製品などのさまざまな食品を摂取することで、必要な栄養素を摂取することができます。 - 摂取カロリーの適量:
摂取カロリーは、性別、年齢、身長、体重、活動量によって異なります。適量の摂取カロリーを維持することで、健康的な体重を維持することができます。 - 塩分・脂質・糖質の摂取量の制限:
高血圧や糖尿病などに予防に繋がります。
バランスの良い食事と運動は全ての病気予防に効果的です。よく食べ、良く運動することは年を重ねても健康でいるための秘訣です。
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体重を減らす
肥満は万病のもとと言われています。しかし、高齢者にとってはそうでもありません。高齢者は少しぐらいぽっちゃりの方が長生きできるという話が様々な医師から出てきています。
年を重ねると痩せやすくなる傾向があり、そうなると低栄養からフレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドロームなど様々な病気に繋がります。そのため、ぽっちゃりくらいが年をとった時は健康でいられる可能性があります。
もちろん食事と運動は続ける必要はあります。
禁煙をする
喫煙は「百害あって一利なし」と言われています。喫煙することでニコチンが血管を収縮させる作用を持ち、血圧を上昇させます。また、タバコの煙には動脈硬化を引き起こす物質が含まれているため、長期的に喫煙をすることで動脈硬化を促進し、高血圧を引き起こします。
喫煙は高血圧を引き起こするリスクが非常に上がる大きな要因です。出来れば禁煙するように心がけた方がいいですが、喫煙していても元気に過ごす人もいます。ストレス解消のために喫煙する人もいますので、その人の生活にあった方法がいいと思います。
(もちろん禁煙するほうがいいですがね…)
飲酒を控える
飲酒も高血圧に大きな影響を与えます。
飲酒と高血圧
- アルコールは血管を収縮させ、血圧を上昇させる。
- アルコールは脂質の代謝を変化させ、血中の脂質値を上昇させ、動脈硬化を引き起こす。
- アルコールは肝臓に負担をかけ、肝臓の機能を低下させ、脂質の代謝を悪化させる。
- アルコールはストレスホルモンの分泌を促進し、血圧上昇に寄与する。
- 過度の飲酒は体重増加や睡眠障害を引き起こし、これらが高血圧の原因にもなる。
以上の様に高血圧と飲酒の因果関係はあり、適度な飲酒を心掛けるようにしましょう。
適度な飲酒とは、一定の程度の健康上の利益をもたらす可能性があります。ただ、適度な飲酒とは、男性では毎日のアルコール摂取量は14unit以下、女性では毎日のアルコール摂取量は7unit以下とされています。
1unitはビール(330ml)、ワイン(125ml)、日本酒(30ml)、カクテル(40ml)、ウイスキー(28ml)などに含まれるアルコール量を表します。
ストレスを緩和する
ストレスは高血圧だけではなく多くの病気へ影響を与えます。ストレスが過度に掛かると突発性難聴など耳が聞こえないくらい体への影響があります。ストレスをためないように、趣味を持ち、運動習慣を行うことで気持ちが落ち込んだ時にストレスを溜め込まないように心がけましょう。
趣味や気晴らしは自分の気持ちを上向きにさせます。いくつになっても打ち込める趣味を持つことは大切です。自分が楽しいと思えることに打ち込んでいきましょう。
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健康的な睡眠を心掛ける
効率のよい睡眠は高血圧を予防する効果があります。高血圧だけではなく全ての病気に良い影響を与えます。睡眠効率を上げることが大切です。睡眠が高血圧の予防に効果的な理由は以下の3つが考えられます。
睡眠と高血圧の関係
- 睡眠不足は、血圧上昇を引き起こすことが知られています。睡眠不足は、ストレスホルモンの分泌を促進し、血管を収縮させるため、血圧上昇に寄与します。
- 睡眠は、身体の代謝を調整するために重要であり、睡眠不足は、身体の代謝を乱れ、血糖値や脂質値の上昇に寄与します。これらの代謝異常は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを増加させます。
- 睡眠は、心血管系の健康にも重要であり、睡眠不足は、心血管疾患のリスクを増加させることが知られています
定期的な健康診断を
定期的な健康診断を受けることは、全ての病気を予防することにつながります。
30代までは1年に1回の健康診断を受け、40代からは人間ドックも受けていきましょう。30代になるといっきに体の変化がでてきます。また、家系による遺伝する病気の影響もで始めたりします。
是非、定期的に病院で健康診断を受けるようにしましょう!
まとめ
高血圧は、血圧が常に高い状態を指し、主に高血圧症と呼ばれています。高血圧は、心臓や脳、腎臓などの器官に悪影響を及ぼし、心疾患や脳卒中などの生命に危険な疾患の原因となります。
主な原因は生活習慣や環境要因、遺伝的要因などが考えられていますが生活習慣病として、喫煙や飲酒、肥満、適度な運動不足などが原因となります。症状が少ないないため、定期的な血圧のチェックをすることで早期発見することができます。治療には、薬物治療、適度な運動、健康的な食生活、ストレスの軽減などがあります。
日本人に高血圧の患者さんは多く、世界的にも高血圧は多い疾患の一つです。予防には、適度な運動、健康的な食生活、睡眠の質の向上が重要です。
気になる方は是非、病院を受診してみることをオススメします。