人生100年時代と言われている現在。 ― 「健康で楽しく長生きすること」の重要性が高くなってきています。
私たち介護食Zの周りには「足腰も強く健康で生活する70代の方々」が多くいます。それでも長く生きると体のどこかに問題や不安を抱えている人が多いですが、とにかくパワフルです。
今回は70代でも健康で元気な人たちがどんな風に生活をしているかのか ―。 私たちが関わっている数百人の方々の特徴を紹介していこうと思います。
日本は超高齢者大国

日本は諸外国と比べても超高齢大国です。65歳以上の割合は2019年で19.4%。2035年には35.3%と予想がされています。
超高齢社会にも関わらず出生率は1.34%と5年連続で下回り、若い人が少なく高齢者が多い状態が今後続くと言われています。
日本の平均寿命「女性87.45歳 男性81.64歳」
この記事を書いている最新版(令和2年)の厚生労働省の平均寿命の統計によると、「女性は87.45歳。男性は81.64歳」という結果になっています。
前年の令和元年に比べると女性は0.30歳上回り、男性は0.22年上回っているとのことです。
国の調査を見ても平均寿命は男女ともに伸びており、どうやって健康で長生きするのかを真剣に考える必要が出てきています。
健康寿命は約10歳下回っている
厚生労働省が出している令和元年の健康寿命の数値では男性が72.8歳。女性が75.8歳になっています。
平均年齢と健康寿命の差は女性は-11.86歳、男性は-8.84歳です。
健康寿命とは
平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間。
WHO(世界保健機関)が提唱した指標で、平均寿命から、衰弱・病気・痴呆などによる介護期間を差し引いたもの。
女性の方が平均寿命が長いですが、一人で自立して生活できる期間が短い傾向にあります。
平均寿命よりも約10年も健康定命が短く、介護についていえば、「脳梗塞、認知症、骨折・転倒、老衰」などが原因で健康寿命が短くなっています。
つまり、この健康寿命をどれだけ長くして、介護などのリスクを減らしていけるかが大切になってきます。
人生100年時代を元気に生きるために

平均寿命は上がるが、年収は上がらない。長生きしている最中に病気をして施設に入るにはお金が足りるのか?など70代を生きる人たちの不安もあります。
やはり長生き時代の現代はどうやったら健康に長生きして、寿命を迎えるのかが大切になってきます。
また、介護のリスクは自分自身だけではなく、配偶者や子供、更には子供の配偶者にものしかかっています。
価値観は多様化し、生活が苦しくなっている若い世代が、親の介護でどこまで面倒を見られるか難しいものです。
自分自身が元気で長生きしていく必要があるので、
我々介護食Zは日々、高齢者の方と関わる機会が多い中で元気な人の特徴を10個まとめてみました。
70代でも健康で元気な人の特徴10選

70代の多くの方々と接する機会が多いのでその人達の特徴をまとめてみました。私たちが接する70代の人たちで元気でパワフルな方々の特徴は以下の10個になります。
1.新しいことにチャレンジしている
70代でも元気な人の特徴1つ目は「新しいことにチャレンジしている」です。
年齢に限らず新しいことにチャレンジしている人はイキイキと日常生活を過ごしています。70代でもスマホを使ったり、パソコンを使ったり、新しい趣味にチャレンジしたり。
70代以降も元気で傾向で居る人は若い人がやっているようなことを積極的に取り入れています。
挑戦心を持っていたり、心が若い人は年を取ろうと元気で健康に過ごしています。毎日やりたいことやチャレンジしたいことを持って目標を持って生活している傾向があります。
定年退職後にスマホを持って自分と世界を積極的につなげている方も多いです。「スマホなんて必要ない…」ではなく、「スマホを持って外に出てアクティブに過ごす」のは非常に大切です。
人気記事:介護になる年齢と日々の対策|平均寿命と健康寿命の違い
80代でゲーム実況をしているおばあちゃん
90歳でゲーム実況をやっているユーチューバーの方ですが、とても元気でイキイキしています。新しいことにチャレンジしているこのおばあちゃんはすごくイキイキしています。
逆に何歳でも新しいことにチャレンジしない人は体が若いだけで、その後長く健康でいられるかというと難しいかもしれません。
人気記事:90代のユーチューバーはいるのか?気になったので調べてみた
2.適度な運動を続けている
激しい運動をしているということではなく、年をとっても若い人は適度な運動を続けている人が多いです。
ウォーキングが日課、ヨガをしている、毎日欠かさずストレッチをする、適度なランニングなど。適度な汗をかいて体のメンテナンスを日課にしている人が多いです。
いきなりの運動は体を壊すこともあります。まずは軽い運動から徐々に運動の強度を上げていきましょう。
一日20分のウォーキングと軽い筋トレ(ヨガ)とかはオススメです。
また、歩くことだけが目的になるとなかなか続きませんが、ポケモンGOなど遊び要素を入れるとウォーキングの楽しみが倍増します。
筋力は年とともに衰えていきます。

上の図をみてもらうと足を上げたり歩いたりする時に必要な ― 大腿四頭筋と腹直筋 ― は20代の頃と比べて40%も落ちていることが分かります。
筋肉は減っていく一方で、筋肉量が減ると歩くことが難しくなり、骨折や転倒から介護リスクが上ってしまいます。
人気記事:60代必見!今から出来るボケ防止は運動が効果的!認知症対策には継続は力なり
3.考え方が柔軟
ある程度生きてしまうと「こうあるべきだ」という考えを持つことがあります。いけない訳ではありませんが、「こうあるべきだ」が強すぎると行動を起こしたり、人とのコミュニケーションが億劫になったりします。
70代でも健康で元気でいる人の多くは「柔軟な考え方」を持っている人が多いように感じます。
考え方が凝り固まると新しいことにチャレンジしづらくなったりするのも問題です。
4.趣味を大切にしている

どんな趣味でもいいので、自分の趣味を年をとっても大切にしている人は元気で健康な印象が強いです。と言うのも趣味を通し熱中することはストレス解消にも繋がるためです。
最近仕事でお会いした80代の人は60代後半から筋トレにハマり、毎日ジムに通っていると言っていました。
また別のある人はインターネットで記事を投稿したり、ブログを書くことにハマっていると言っていました。
年を取ることで体が弱くなり若い時に出来た趣味に体が追いつかないこともあります。しかし、年を取ったからこそ楽しめる趣味もあります。
70代でも元気で健康で過ごしている方は、常に自分がワクワク楽しめる趣味を探している傾向が強いです
70代を生きるユーチューバー
70代シングルライフを動画にしているチャンネルです。チャンネル登録者は3万人超え(2022年2月現在)
こういう動画を上げることで収益にも趣味にも、そして視聴者と仲良くなれるコミュニティを作っています。
5.人と会うことを楽しみにしている

年を取っても若く健康でいる人は「人と会うことを楽しみにしている人」が多い傾向があります。
女性は特に友人とランチに行ったり映画を観たりお茶をしたりしてストレス発散をしたりしています。
男性は定年退職後は家に籠る傾向がありますが、人と会って色々な話を聞くことは刺激になるのでオススメです。人と会って話をすると脳が刺激されますよ。
同年代だけでけではなく、若い人と多く接している人は考え方も若いですし、多くの刺激を受けています。
6.年を取って弱ってきているところを認めている

年を取れば必ず体のどこかが弱ってきます。目は老眼になり緑内障などになりますし、かむ力は弱くなり食事をとるのが億劫になります。
耳は遠くなり人の声が聞こえづらくなりますし、ひざは歩くと痛くなる。腰も痛くなるしで生きた分だけ体に不具合が生じてきます。
しかし、70代でもいきいき暮らしている人はそういう自分の弱さを理解して前向きに色々なことに取り組んでいます。
「体は弱くなってきて当然なんだから」とこの前お会いした80代のおじいさんは仰っていました。
弱くなってきた箇所を守るあまり、外に出なくなったり人に会うのが恥ずかしくなるのではなく、それは長生きしている証拠だと思い対策をしている傾向が強いです。
7.70代でも何かしら働いている

70代になってもアルバイトや友人の会社のお手伝いをしている人が多い傾向があります。週2日でも働くことは非常にオススメです。
今や人生100年時代に突入し、定年退職後でも仕事をしている人の割合は年々増えてきています。
年金の問題などもありますが、働いている方がお金よりもよりも価値が高い価値があると考えています。
仕事をすることで強制的に頭をフル回転させますし、人付き合いが生まれます。そういう環境にいることは脳や体の健康維持に繋がります。
仕事をすることは、単にお金を稼ぐことだけではなく、脳を活性化させる上で必要なことかもしれません。
8.70代になって更に人生を楽しんでいる

「先のことを考えると不安になることも多い」とコメントをくれた70代女性。
しかし、「若くてできなかったを今やっている。もちろん若い頃に出来たことが出来なくなったものもあるが、今を楽しんでいる」と仰っていました。
体は弱り出来ることが限られてきているのかもしれないが、年をとった時こそどうやって残りの人生を楽しくできるのかが大切になってきます。
そして、楽観視ではないが、前向き毎日の生活をしっかり生きている人ほど、70代になっても健康で元気に生きている傾向があります。
9. 食事をしっかり食べている
これは本当に共通していることなんですが、食事をしっかり食べている人は年をとっても元気な傾向があります。
驚くことに、年を重ねると避けがちな肉なども食べている人が多いです。誤嚥しづらくなるので、食事の固さや形態には気を付けないといけませんが、よく噛むことは脳の血流を良くします。
食べ物に気を遣いすぎて自分の好きな物を避けてストレス感じている人よりも、バランスを考えた上でストレスをため込まないようにしている人が多い印象です。好きな物は避けずに、適度に食べていくことが大切。
また、体形は元気でいる時のパラメーター。年を重ねた時は痩せている方が介護リスクがあがってしまいます(低栄養)。
低栄養は特に女性が気をつけたい健康問題です。低栄養からロコモやフレイルに派生し、介護リスクがグングン上がる要因になっています。
また、骨折転倒で介護になってしまう人も、低栄養との関係が切り離せません。
人気記事:栄養素の役割と効果|介護を予防し健康寿命を伸ばすための取り方
10. 筋トレをして体を鍛えている
筋肉を鍛えているシニアの方は多いです。
若い時に運動をしていない人でも、毎日簡単なスクワットや足上げ運動を習慣化しています。
女性の場合は特に、骨折・転倒、衰弱などによって健康寿命は低くなっており、それらが原因で介護になっている人は30%もいます。
女性こそ、年を重ねたら筋トレをすることで健康寿命を延ばすことに繋がるのオススメです。
人生100年時代を生きるために、もう一度今を見直そう
今回は70代でも健康で元気に生きている人の特徴8選を紹介してきました。
耳が難聴になって人の声が聞こえづらいと私たちのもとに訪れた方は、難聴でも友達とのコミュニケーションを楽しみ、外に出歩き、ジムに通っていました。
足が悪く杖をついていた方はスマホで数独(パズルゲーム|頭の柔軟体操になる)にハマっていると。
体のどこかが悪いからと言い訳するのではなく、毎日をどうしたら刺激を持って楽しめるか ― を考えている人が多かったです。
是非、これからの人生を健康で元気に過ごすために、固定観念を持たず色々な人との出会いを楽しみ健康で元気で過ごしていきましょう。